本日は、移動平均線のパーフェクトオーダーを利用したEA3号を紹介します。
パーフェクトオーダーとは、複数の移動平均線を使い、計算期間の一番短いものから一番長いものまでが順番に並んだときにエントリーするという手法です。
上の画像のようなタイミングでエントリーですね。
パーフェクトオーダーが成立したときは非常に強いトレンドが形成されたときで、順張りロジックなら絶好のチャンスですが、エントリーのタイミングは非常に遅れをとってしまうという傾向があるため、決済方法にはかなりの工夫をする必要があるかと思います。
上の画像は、直近5時間のバックテストによる資産曲線です。長期間勝てない部分もありますが、概ね利益を出してくれるようです。
パーフォーマンスレポートは以下の通りでした。
◆検証期間 2016年1月1日~2020年12月31日の5年間
◆通貨ペア USDJPY
◆枚数 0.1ロット=1万通貨
◆時間軸 30分足
◆スプレッド 5ポイント
◆取引回数 352回
◆勝率 54.55%
◆PF 1.78
◆初期口座残高 100万円
◆最大ドローダウン額 3万500円
◆最終口座残高 142万2870円
最大ドローダウンが非常に小さいので、複利運用すれば爆発的な利益を期待することができそうです。
ただ、取引回数が5年でわずか352回なので、1週間に1回くらいの取引で、いわゆるスイングトレードということになり、これでは物足りないと思われる方が多いでしょう。
しかし、FXでは、取引期間が同じであれば、利食い幅が狭く取引回数の多いスキャルピングよりも、利食い幅が広く取引回数の少ないスイングトレードの方が圧倒的に有利だというのが私の考えです。本日はこの点について少し解説をします(カーブフィッティングについての解説は予定を変更して次回に回します)。
上の画像は、エクセルで作成した架空のEAの資産曲線です。
◆ 取引回数 200回
◆ 枚数 0.1ロット
◆ 利食い 150PIPS
◆ 損切り 100PIPS
◆ 勝率 60%
◆ PF 2.67
◆ 最終口座残高 220万円
ご覧の通り、利食い幅が広く取引回数の少ないスイングです。
いわゆる誤差(スプレッド+スリッページ)については「0」に設定してあります。
一方、上の画像は利食い幅が狭く取引回数の多いスキャルピングの例です。
◆ 取引回数 2000回
◆ 枚数 0.1ロット
◆ 利食い 10PIPS
◆ 損切り 10PIPS
◆ 勝率 80%
◆ PF 4.00
◆ 最終口座残高 220万円
いわゆる誤差(スプレッド+スリッページ)については、同じく「0」に設定してあります。また、最終口座残高もわかりやすいように同一にしてあります。
さて、ここから実験ですが、誤差が1PIPSずつ増えていくと、それぞれのパフォーマンスがどのようになるかテストしてみました。
取引回数の少ないスイングでは、誤差が多少増えてもパフォーマンスにあまり違いは出ませんでしたが、取引回数の多いスキャルピングでは、1PIPSの誤差がパフォーマンスに甚大な悪影響を与えており、7PIPSの誤差で赤字に転落してしまいました。
以下は、これをグラフ化したものです。
「FXではスキャルピングでは絶対に勝てない」とまでは断定できませんが、スキャルピングでは少なくとも、バックテストとリアルトレードとで大きな違いが発生することは間違いありません。
それゆえ、当方が開発するEAはすべてスイングトレードばかりです。どうしても取引回数を増やしたければ、複数のEAでポートフォリオを組めばよいのです。
本日はここまでです。次回をお楽しみに。
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