本日はEA6号を紹介します。
ブレイクアウト手法です。
ただし、直近の高値や安値を利用したロジックではどうしても勝てないので、少し特殊なやり方にしました。
移動平均線の「表示移動」の機能を利用します。ご承知のように移動平均線を上の画像の赤丸のように設定すると、ラインがチャートの右側へローソク足10本ずれて表示されます。つまり、現在のローソク足上に過去の移動平均線が表示されることになります。
あとは上の画像のように、その移動平均線から価格が大きく乖離したところを順張りで狙います。
上の画像は2016年1月1日~2020年12月31日の5年間のバックテストによる資産曲線です。
勝てる時期と勝てない時期が極端に分かれるようです。
パフォーマンスレポートは以下の通りです。
◆検証期間 2016年1月1日~2020年12月31日の5年間
◆通貨ペア USDJPY
◆枚数 0.1ロット=1万通貨
◆時間軸 30分足
◆スプレッド 5ポイント
◆取引回数 1442回
◆勝率 51.73%
◆PF 1.36
◆初期口座残高 100万円
◆最大ドローダウン額 5万3540円
◆最終口座残高 179万1710円
上の画像は直近2年間でパラメーターを最適化し、そのパラメーターをそのまま使ったフォワードテストの結果です。赤色の縦線でバックテストからフォワードテストへ切り替わっています。
他の時期のフォワードテスト結果もあわせて評価すると、賞味期限は概ね半年くらいで、トントンで終わってしまうこともあります。
さて、本日はパラメーターの最適化の有効なやり方について解説します。最適化する上で注意すべきことや、コツなどを紹介します。
メタトレーダーのオプティマイゼーション機能を実行すると、PFが1.0以上の黒字だったパラメーターの組み合わせ(これをパラメーターの優良候補と言います)だけが、上の画像のように一覧表示されます。
赤色の縦線より左側に「利益」「PF」等の簡単なパフォーマンスレポートが表示され、赤色の縦線より右側にそのときの各パラメーターの組み合わせが表示されます。
まず、当方のこれまでの経験からすると、フォワードテストで成功するEA、つまり、カーブフィッティングをうまく回避して未来においても勝てるEAの場合、パラメーターの優良候補の数が非常に多くなる傾向があります。逆に、未来において勝てないEAの場合は、パラメーターの優良候補の数が少なくなる傾向があります。
上の画像の赤丸をつけた部分は、「パス」の列の最下段の数値で、これがパラメーターの優良候補の数になります。この数値が多ければ多いほどよいということですね。
これは、未来において勝てるEAというのは、パラメーターが多少変わっても勝てるということで、言い換えれば、値動きが過去と多少変わっても勝てるEAであることから、そのような傾向になるのだと思われます。
なので、未来において勝てるEAの場合、メタトレーダーのオプティマイゼーション機能が実行されると即座にパラメーターの優良候補が勢いよくずら~っと多数並ぶので、慣れてくるとその瞬間に、「あっ、賞味期限が長そうだな」と判断できるようになります。逆に未来において勝てないEAの場合、時間をあけてポツンポツンと優良候補が表示されるので、その時点であきらめれば、それ以降の最適化の時間を省くことができます。
次に、最適化をするときは、単利でやるべきか複利でやるべきか、という問題があります。結論から言えば、最適化も含めてバックテストはすべて単利でやるべきです。
理由は、
①単利で勝てないEAは複利にしても絶対に勝てない。
②複利の場合は複利率によってパフォーマンスが大きく変わってしまうので、EA自体の良し悪しは、単利で行った方が分析や評価がしやすい。
からです。
次回は、もう少し具体的な最適化の方法について、有効なテクニックを紹介したいと思います。
お楽しみに。
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