前回の記事の続きとして、私が実践しているMT4による最適化の具体的なテクニックを紹介します。
上の画像は、MT4による最適化の結果一覧です。
「損益」をクリックすると損益順に並べ替えできます。また、「プロフィットファクター」をクリックするとPF順に並べ替えできます。
ここで一番悩ましいのは、どの項目を基準に並べ替えて、パラメーターの優良候補を選択するかです。
この点、「損益」順に並べ替えて一番損益の多いパラメーターの組み合わせを選択される方が多いかと思いますが、PART1でも述べましたが、システムトレードは「最大ドローダウンとの闘い」です。ドローダウンさえ小さく抑えることができれば、損益はロット数を上げることによっていくらでも増えます。なので、あくまでもドローダウンを基準に並べ替えたいところですが、「ドローダウン額」と「ドローダウン率」があって、どちらを基準にすればよいか、という問題があります。
ここで大事なことは、単利運用では「ドローダウン額」が重要で、複利運用では「ドローダウン率」が重要だということです。その理由は、
◆単利での「ドローダウン率」はそのときの資産によって大きく左右される
◆複利での「ドローダウン額」はそのときの資産によって大きく左右される
ため、同じ土俵で比較できなくなってしまうからです。
この点、最適化を含めてバックテストは基本的には単利で行うべきことは前回の記事でも述べた通りです。
よって、「ドローダウン額」を基準に並べ替えるのがよいでしょう。
ただそうは言っても、やはり損益の額もちょっと気にりますね。そこで、
MT4の最適化一覧を「すべてコピー」してそれをエクセルへ貼り付けます。そして、上の画像のように、エクセル上で損益(赤四角)に対するドローダウン額(青四角)の割合を算出(黄色四角)し、その割合が小さい順にエクセルの昇順機能を使って全データを並べ替えます。こうすると、損益に対するドローダウン額の割合が一番小さいパラメーターの組み合わせがトップへ来るので、これが一応ベストな組み合わせということになります。あとは、そのパス番号(上の画像では「A」列)を手掛かりにしてMT4へ戻って普通にテストをすれば、その優良候補のパフォーマンスレポートがすぐに入手できます。
ただし、ここで注意すべきことがいくつかあります。それは、
①極端に取引回数の少ないもの(たとえば数年で1回~5回)
②極端に取引回数の多いもの
③利食いの幅に対して損切りの幅が異常に広いもの
は除外した上で、一番トップのものを選んだ方がよいということです。
①についてはデータとしての信ぴょう性がないからです。
②については、PART3でも述べたようにスプレッドやスリッページの影響が甚大になるからです。
③については、これまでの当方の経験からすると、カーブフィッティングに陥っている可能性が大きいからです。
あとは、実際にバックテストをしてみて、損益曲線を目で見て確認し、とくに問題がないかどうかチェックをするとよいでしょう。
次回は、EA7号の紹介と、逆指値による「損切り」の有効な方法について解説します。
お楽しみに。
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