投資におけるポートフォリオとは、「分散投資」のことです。株式などでいうと、1つの銘柄に全額投資するのではなく、複数の銘柄に投資して危険を分散させようとする考え方です。
EA自動売買でいえば、複数のEAを同時に稼働させることによって実現できます(プログラム的には複数のロジックを1つのEAにまとめてしまうこともありますが)。
まず、このポートフォリオのメリットがどんなものか、理屈で述べるより視覚的に理解していただいた方が早いと思います。
上の画像は、エクセルで作成した架空のEAによる損益曲線です。5つのEAを別々に稼働させた場合の各損益曲線が表示されていますが、いずれも凸凹しており、ところどころに大きなドローダウンが発生していることがわかります。
これを同時に稼働させると、
上の画像のように、凸凹が摩滅して損益曲線が滑らかになり、その結果、ドローダウンが小さくなっていることがわかります。ドローダウンが小さくなれば、あとは複利のパワーによってロット数を目いっぱい引き上げられるので、爆発的な利益を叩き出すことが可能になります。
そこで、これまで紹介してきたEA1号~7号の中からいくつか選んで、ポートフォリオを組んでみたいと思います。
ただし、やみくもにたくさんのEAを同時稼働させればよいというものではありません。たとえば、移動平均線を利用した順張りのEAなどで同じようなタイミングで損切りされるようなものを同時に稼働させれば、かえってドローダウンが大きくなってしまいます。なので、順張りと逆張りをまぜるなど、お互いがリスクヘッジし合うように、タイプの異なるEAを選んでポートフォリオにする必要があると思います。
そこで、7つのEAの中から、
◆ EA3号…5本の移動平均線のパーフェクトオーダーを利用したもの
◆ EA5号…ローソク足の情報のみによるもの
◆ EA7号…RSIによるトレンド中の逆張り
の3つのEAを同時に稼働させてみました。
◆検証期間 2016年1月1日~2020年12月31日の5年間
◆通貨ペア USDJPY
◆枚数 0.03ロット=3000通貨
◆時間軸 30分足
◆スプレッド 5ポイント
◆取引回数 2061回
◆勝率 57.11%
◆PF 1.69
◆初期口座残高 100万円
◆最大ドローダウン額 2万5743円
◆最終口座残高 172万1641円
利益に対する最大ドローダウン額の割合が、わずか3.6%という驚異的なパフォーマンスです。こうなれば、もうこっちのものです。あとはこれを複利運用すれば文字通り億単位の利益を出せるでしょう。
次回は、いよいよシリーズ最終回で、今回紹介したポートフォリオを複利運用した場合のパフォーマンスを紹介します。
ぜひお楽しみに。
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