パラボリックを使ったドテン売買を自動売買化するときの注意点

パラボリックは、J.Wワイルダーが開発した有名なテクニカル指標の一つで、発想としては直近の高値 or 安値ブレイクによるドテンを繰り返すタイプの手法です。ただし、ブレイクラインの代わりにドットを使用して、高値・安値が更新されるたびに「加速因子」というものによって、そのドットを現在値に徐々に接近させてブレイクのタイミングを早めようという工夫があります。

 

上の画像のように、価格の上昇場面ではドットがローソク足の下側に点灯し、価格の下降場面ではドットがローソク足の上側に点灯します。なので、このパラボリックを使って自動売買をするためのプログラムを組む場合、もしも終値確定を待って次の足の始値でロングエントリーをしたいときは、

 

①2本前の足のドット>2本前の足の終値

②1本前の足のドット<1本前の足の終値

 

①かつ②のときに、最新の足の始値でロングエントリーすればよいはずです。

しかし、レアケースとして、上の画像のような場面が発生することがあります。黄色で囲ったローソク足のところでいったん下降から上昇へ転じ、その次の足で再び上昇から下降へ転じています。しかし、黄色で囲ったローソク足をよく見ると、上昇場面であるのにドットがその終値より上側に点灯しています。この場合、先ほどのプログラム通りに自動売買を組むと、エントリーされません。

では、どうしたら正しくパラボリック自動売買を組めるのでしょうか。

 

そもそも、パラボリックは、下降から上昇へ転じるときは、最初のドットは前回の下降時の最安値に描画され、逆に上昇から下降へ転じるときは、最初のドットは前回の上昇時の最高値に描画され、その後、接近してきたドットに現在価格(ヒゲ)が接触した瞬間にサインが反転します。

 

また、開発者のJ.Wワイルダーの書籍によると、価格の上昇場面では、ドットが1本前のローソク足の安値を上回ることはなく、逆に価格の下降場面では、ドットが1本前のローソク足の高値を下回ることはない、とされています。

 

このようなロジックを踏まえると、たとえばロングの場合、

 

本前の足のドット>=本前の足の高値

本前の足のドット<=本前の足の安値

 

①かつ②のときに、最新の足の始値でロングエントリーすればよいことになります。