昨年末に、パンローリング社から出版された「FXメタトレーダー4&5一挙両得プログラミング」です。
そもそも、メタクォーツ社が、すでに普及しているMT4からあえてMT5へ移行しようとしている背景には諸説ありますが、どうやら、ソフトの稼働を速めるのが狙いであるという説が有力のようです。
ご承知のように、MQL4は、C言語系を簡略化したプログラム言語ですが、習得しやすい反面、稼働速度に限界があり、とくにバックテストでは、トレードステーション等他の高性能ソフトに見劣りするという弱点がありました。
これを克服するため、さらなるC言語系の高度なテクニックを取り入れたのがMQL5というわけです。
ところで、つい先日、世界中を驚かせたMT4のbuild600へのバージョンアップですが、メタエディターの仕様がMQL4とMQL5の双方に対応しており、レファレンスもMQL5にかなり近いものになっています。
これらのことから考え併せると、近々、メタクォーツ社および各ブローカーがMT5へ完全に移行する可能性は高いと言わざるを得ません。
もちろん、現在では、まだまだMT4のユーザーの方が圧倒的に多いため、当面は、
build600のように、MQL4とMQL5の同時使用可能バージョンが存続するだろうと思われますが、今のうちから少しずつMQL5を習得しておく必要はあるでしょう。
このような現状において、今回、MT5用の教科書として、「FXメタトレーダー4&5一挙両得プログラミング」が出版されたことは、EAやインジケーター開発者にとってはこの上もなくありがたいことだと思います。
さて、同書の詳しい内容については、こちらを参照していただくとして、すでに購入して少し読んでみた私の感想を以下、簡単に述べたいと思います。
まず、MQL4にはなかった「構造体」や「パラメーターの参照渡し」といった概念については、基本から丁寧に説明されているので、C言語系をゼロから勉強する手間が大きく省けると思います。
また、各論点ごとに、MQL4とMQL5を対比しながら論述してあるので、この書籍を読むだけで、MT4のユーザーがMT5へスムーズに移行できるようになっています。
そして、巻末には、MQL4とMQL5の関数の比較一覧表が掲載されており、これだけでも入手する価値は非常に高いと言えます。
まさに、「至れり尽くせり」の良書と断言できます。
ただし、これまで全くMQL4を知らない方にとっては、この一冊だけでMQL4とMQL5を同時に習得するのはさすがに難しいと思います。MQL初心者の方は、やはり、豊嶋先生の前2冊をしっかり勉強してから今回出版された本を読まれる方がいいと思います。
それに対して、これまでMQL4をある程度使いこなしてきた方にとっては、今回出版された本は比較的すいすいと頭に入るはずです。
しかし、それは、豊嶋先生が、C言語系の情報はもちろん、メタトレーダーに関する海外の情報も含めて適切に収集し、それを体系的にわかりやすくまとめてくれたからこそできるわけであって、その作業をゼロから行われた豊嶋先生のご尽力は我々の想像を絶するものではないかと思います。
メタトレーダーに関する情報は世界中にあふれていますが、それらを本当にきちんと体系的にわかりやすくまとめた信頼できる教材といえば、豊嶋先生の著書類をおいて他には存在しないと私は思います。
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寛爾 (水曜日, 12 2月 2014 00:59)
たけちゃん、写真付きコメやめちゃったんだ・・・。(笑)
最近の自分は全く自分自身の時間が無く、めっちゃ忙しくて最悪ですわ。(泣)
・・・追伸。
ハイエナ野郎の店で美味しいものを食べながら、楽しい会話が出来る日を楽しみにしていますね。(笑)
easakuseidaiko (水曜日, 12 2月 2014 12:54)
>寛ちゃん
毎度コメントありがとうございます。もうそろそろデカい焼きアサリが出るシーズンですね。酒がすすんで困りますわ。