メタトレーダーで、バックテストや自動売買をするためには、EA(エキスパートアドバイザー)と呼ばれる特殊なプログラムファイルをメタトレーダー内にセットして稼動させる必要があります。
まず、実際に、サンプルのEAの中を覗いてみましょう。
メタトレーダー内のEAにアクセスする方法は、大きく分けて3つあります。
1.アクセス方法その1
上のメニュー→「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Experts」と入っていくと、上のような画面になり、赤枠内のファイルがEAです。このアクセス方法は、EA自体を追加・削除したり、複製したり、別のコンピューターへ移動したりする場合に有効です。早速、ダブルクリックして中を見てみましょう。
このEAの製作者が書いたプログラムが見られます。
2.アクセス方法その2
メタトレーダーを起動して、ナビゲーター→Expert Advisors→EAを選択→右クリック→修正をクリックすると、同じEAの中を見ることができます。このアクセス方法は、自動売買をしたり、EAのプログラムを編集したりする場合に有効です。
3.アクセス方法その3
同じく、メタトレーダーを起動して、表示→Strategy Testerと入り、
Expert Advisor の中からEAを選択して、「Modify expert」または「エキスパート編集」をクリックすれば、中を見ることができます。このアクセス方法は、バックテストや最適化のときにEAを少し修正したいときに便利です。
ところで、もう一度、メニュー→「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Experts」と入ってください。
よく見ると、似た名前のEAファイルが2つあることが分かります。この2つは、基本的には同一のEAですが、青線の方は、「MQL4」ファイルと呼ばれ、製作者がプログラムを書いたり、読んだり、修正したりするためのファイルで、赤線の方は、「EX4」ファイルと呼ばれ、コンピューターが認識するためのファイルです。
これは、どういうことかというと、コンピューターは人間と異なり文字を認識することができないので、「MQL4」ファイルのままでは自動売買もバックテストもできません。そこで、この「MQL4」ファイルを変換してコンピューターが認識できるようにしたものが「EX4」ファイルです。なので、逆にこの「EX4」ファィルは、人間が開いて中を見たり修正したりすることはできません。あくまでもコンピューターが認識するためのファイルです。
そして、「MQL4」ファイルを「EX4」ファイルへ変換する作業を、コンパイルといいます。つまり、EAの製作から自動売買やバックテストまでの流れは、
① 製作者が「MQL4」ファイルを書き、それをメタトレーダー内にセットする。
② 「MQL4」ファイルをコンパイルして「EX4」ファイルへ変換する。
③ コンピューターがその「EX4」ファイルを認識して、自動売買やバックテストを実行する。
となるわけです。
なお、コンパイルという作業は、新たなEAをセットしたときだけでなく、メタトレーダー内に既に存在するEAを修正した場合にもその都度行なう必要があります。
では、早速、コンパイルのやり方を勉強しましょう。
たとえば、上の画像のようなMQL4ファイルを製作または入手したとします。
これを、メニュー→「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Experts」内に保存します。
上の画像のように、この時点では、「MQL4」ファイルはセットされましたが、これに対応する「EX4」ファイルはまだ存在しないことが分かります。そこで、赤枠のファイルをダブルクリックで開いてください。すると、
プログラムが見えるので、上の「Compile」というボタンをクリックすると、数秒で左下のようなサインが出たら、コンパイル成功です。そうしたら、いったんメタトレーダーを再起動して、もう一度、メニュー→「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Experts」内を確認しましょう。
「EX4」ファイル(青枠内)が出来上がっています。これではじめて、コンピューターが自動売買やバックテストを実行することが可能になるわけです。
なお、メタトレーダーの最新のバージョンでは、MQL4ファイルを「Experts」フォルダへ入れて、そのままメタトレーダーを再起動するだけで自動的にコンパイルしてくれるようです。
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